木製床ガラリ「エアトオル」と自然塗料の相性

木製床ガラリ「エアトオル」と自然塗料の相性

自然塗料と言えばオスモカラー

今回はオスモ&エーデル株式会社さんから送っていただいた自然塗料オスモカラーのサンプル塗料を使い、弊社で製造販売している木製床ガラリエアトオルのそれぞれの樹種に試し塗りをしてみました。

勿論、自然の無垢材ですから木肌や木目などはそれぞれ大きく異なりますし、ロッドによっても微妙に色のバラツキがあるものです。

弊社では無塗装品のみを取扱い発送していますが、時々お客様から樹種と塗料の相性や塗布後の雰囲気や仕上がり具合についてお問合せを戴くことがあります。

塗装といっても色々な方法がありますが、木と相性が良い浸透性植物性自然塗料を塗って比較してみました。

まずその前にちょっと豆知識

建築に使う資材や家具、造作に使用する木材は、大きく分類すると針葉樹と広葉樹の2種類です。針葉樹で有名なのはスギやヒノキやマツなどで、木造建築の構造材として多く使われ、一部は造作材や家具の材料としても使われています。また広葉樹ではナラ、タモ、ブナ、カツラなどが知られています。簡単な見分け方法は、読んで字のごとく針葉樹の葉は「針」のように細くとがっていて、広葉樹の葉は「広」く、平べったいのが特徴です。

針葉樹と広葉樹とでは、そもそも細胞や組織が全く異なります。大きな違いとして水分や養分を運ぶ道管のあるなしです。針葉樹は細胞が死んで円筒状の仮道管となり、水分の輸送と強度を確保する役割を担います。一方、広葉樹には針葉樹の仮道管と比較しても太く、水分の輸送効率が高い道管があります。さらに広葉樹の道管は樹種によって異なり、年輪に沿って環状に配列された環孔材(ナラ、ケヤキ、チーク)と道管の分布が無差別に散財している散孔材(ブナ・サクラ・シナ)に大きく分けられます。

浸透性の自然塗料を塗布する場合の向き不向き

ここで私自身の経験談を少しします。今から20数年前は建物の内装に使った仕上げ材から化学物質が発生することが話題になりました。それまでのワクワク感を伴った新築住宅っぽい臭いの正体は、実はホルムアルデヒドなどの化学物質のことだったことになります。勿論この問題は、室内のホルムアルデヒド濃度を0.08ppm以下にするという基準値が設けられ、ケミカルフリーからケミレスを経て、現在では建物室内の化学物質は話題にならなくなりました。その頃からでしょうか、グッグッと市場に定着してきたのが、エコ大国・ドイツ製の自然塗料でした。

当時は猫も杓子もと言ったら大げさですが、木部に自然塗料を塗布することが、当たり前のような状況になりました。私も自然塗料を大いに推奨していましたが、木材の樹種によって仕上がりに色ムラが出たり、塗料が上手く入らなかったりとかなり苦労した経験があります。

結論から言いますと、針葉樹に色付きの自然塗料を塗っても綺麗に仕上がりません。クリアに留めておくか色の薄いホワイト系の自然塗料を塗るのが無難です。均等に色が入っていかず、まだら模様になることが多いようです。

また広葉樹についても前述した道管の配列によって仕上がりが大きくかわります。散孔材よりも木目がきれいなナラなどの環孔材に塗るのが最も美しい仕上がりになることがはっきりわかりました。

加工された後でも木は生きていますし、それぞれの木材に素性や個性がありますので完全な工業製品とは考えず、その風合いを楽しんでいただけると良いですね。

経験値から考えて樹種と自然塗料色の選択

今回の実験に使った樹種は広葉樹のオーク(ナラ)とウォールナット(くるみ)、針葉樹はマツ(スプルース)です。オスモの色はそれぞれにフロアクリア透明ツヤ消しを3樹種に塗布。さらに濃淡を考えて、オーク色、ウォルナット色、ホワイトスプルース色を塗ってみました。

針葉樹と広葉樹とでは、そもそも細胞や組織が全く異なります。大きな違いとして水分や養分を運ぶ道管のあるなしです。針葉樹は細胞が死んで円筒状の仮道管となり、水分の輸送と強度を確保する役割を担います。一方、広葉樹には針葉樹の仮道管と比較しても太く、水分の輸送効率が高い道管があります。さらに広葉樹の道管は樹種によって異なり、年輪に沿って環状に配列された環孔材(ナラ、ケヤキ、チーク)と道管の分布が無差別に散財している散孔材(ブナ・サクラ・シナ)に大きく分けられます。

オスモカラー塗布後の所感

さてさて私見に基づいた結論です。

・マツ

針葉樹は自然塗料の浸透性にムラがあり、お薦めは無塗装若しくはオスモのホワイトスプール―スを塗布したものが良い。

・オーク

木目がはっきりするクリアも良いが好み次第で少しオーク色を含侵させたものもさらに木目の濃淡が際立つ。

・ウォールナット

クリアは生地の濃淡がはっきりし、ウォールナットを追加すると濃淡が減り、深みがでる。