家具デザイナー小泉誠さんがつくった、つくり手も住まい手も愛おしくなる造作キッチン

家具デザイナー小泉誠さんがつくった
つくり手も住まい手も
愛おしくなる造作キッチン

家具デザイナー小泉誠さんがつくった、つくり手も住まい手も愛おしくなる造作キッチン

小さな食器や調理器具から、家具インテリア、そして暮らしの器である「家」の設計まで手掛ける小泉誠さん。

今回、ekrea Parts「キッチン・キット」を採用した家ができたと聞き、見学会に伺いました。

キッチンに使われている部材は、至ってシンプル。しかし、小泉さんならではのデザインと、細部に施された工夫に目を奪われます。使い勝手がよくて美しい、「才色兼備」の造作キッチンを詳しくレポートします。 

\ 家づくりの参考になる事例集 /

小泉さんが立ち上げた「大工の手」の温もりと技が息づく

小泉さんが立ち上げた「大工の手」の温もりと技が息づく

小泉さんというと、職人の手仕事の復権を目指して、2015年に立ち上げた「わざわ座」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

そのなかでも、木の家を建てた大工が、その家に似合う家具をつくり、家と一緒に永く愛着をもって使ってもらいたいと始まった「大工の手」の取り組みは、造作キッチンにも広がり、進化し続けています。

隅々まで素材の統一感がとれた居心地のいい家

隅々まで素材の統一感がとれた居心地のいい家の模型

今回訪れたのは、住宅密集地に立つ小さな2階建ての家です。

障子をはめた高窓から陽ざしが降り注ぐ、伸びやかで気持ちのいい空間

玄関を入り階段を上がると、そこはリビング。障子をはめた高窓から陽ざしが降り注ぐ、伸びやかで気持ちのいい空間です。

シナ合板(扉)とJパネル(棚)でつくられた造作家具も、塗り壁やメープルの床材とよく馴染んでいます

化粧したシナ合板(扉)とJパネル(棚)でつくられた造作家具も、塗り壁やメープルの床材とよく馴染んでいます。

窓枠を箱として立体的に突出させ、「座る」機能を加えた「大工の手」でも人気の「窓際ベンチ」

窓辺に目を移すと、小泉さんがデザインした「窓枠ベンチ」が。窓枠を箱として立体的に突出させ、「座る」機能を加えた「大工の手」でも人気のアイテムです。

小泉さんいわく、ここがこの家の特等席。

「おこもり感がいいんです。横の壁にクッションを立てかけて横になると、窓の外の景色を身近に感じられます。そして、室内に目をやると高窓からの陽ざしに癒される…」

床に座ればテーブルとしても使え、下の部分は収納として活躍。用途が限定されない、まさに「一器多用」の造作家具です。

この窓枠ベンチも木口を見せたJパネルで造作、扉材は化粧したシナ合板で造作。実は、これからご紹介するキッチンも、同じ2つの素材で造作され、LDKに落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

この各部の家具や建具だけでなく、キッチンにもその技が随所に。丁寧に面取りされ、手の当たる部分は、汚れてもヤスリをかければ落とせる無垢材を使用。手触りのいいキッチンに仕上がっていました。

細部にまでこだわった、使うほどに愛着が湧くキッチン

細部にまでこだわった、使うほどに愛着が湧くキッチン

この家のキッチンでは幅W2550mm×奥行D740mm(特注)のI型のキッチン・キットを採用。背後に収納を設けたペニンシュラータイプのキッチンです。

キッチンの仕上げには、ウレタン塗装されたシナ合板(扉材)と、化粧したJパネル(袖壁や棚板)を使用

キッチンの仕上げにも、ウレタン塗装されたシナ合板(扉材)と、化粧したJパネル(袖壁や棚板)を使用。国産の杉材を三層に接着したJパネルは、あえて木口を見せることで、優しい雰囲気に。

シンクは、ポケット付き排水一体型のEシンク採用

シンクは、ポケット付き排水一体型のEシンク採用。水はね防止と手元を隠すために250mm立ち上げたJパネルの内側には、メラミンパネルを貼っています。

そしてダイニング側(写真正面)の上部には、人工大理石の一時置き用カウンターを取り付けました。幅はW150mm。人工大理石は当たりが柔らかいアクリル素材のものに。

シナ合板で作った扉には、下の部分をくりぬいた無垢材の取っ手

キッチンの天板下に目を移すと、シナ合板で作った扉には、下の部分をくりぬいた無垢材の取っ手が。手触りがよく、開け閉めするたびに、キッチンへの愛着が深まっていきそうです。ちなみにこの無垢材は、床材と合わせ、メープル材を使用しています。

また、写真のように上下の扉の間にあるスリットからBOX本体がのぞけるのですが、黒いゴムを貼って化粧して目地が黒く見えるように工夫しています。

Jパネルを組み合わせる際に、三層のうち一層だけを残す切込みを入れて繋げます。そして、角を2.5Rに面取りすることで、どの角度から見ても美しく、手触りのよい仕上がりに。

写真のように小泉さんは、Jパネルを組み合わせる際に、三層のうち一層だけを残す切込みを入れて繋げます。そして、角を2.5Rに面取りすることで、どの角度から見ても美しく、手触りのよい仕上がりに。まさに「大工の手」による造作キッチンです。

天板の奥行D740mmから生まれた、使い勝手のいい収納スペース

天板の奥行D740mmから生まれた、使い勝手のいい収納スペース

キッチン・キットでは、天板の奥行を標準で3タイプ(D650mm/D720mm/D900mm)ご用意しています。しかし、小泉さんは、特注で720mmタイプを20mm伸ばしたD740mmに。さらに、現場で手元隠しに厚さt36mmのJパネル(写真・収納棚の上の板)を取り付けたことで、ダイニング側に奥行約D100mmの収納スペース(写真)が生まれました。

この奥行きがあれば、グラスや湯呑みといった食器は、ほぼこの場所に納まります。動線的にも、ダイニングからすぐに取り出せて便利。

壁面収納にも造作だからできた細やかな工夫が

壁面収納にも造作だからできた細やかな工夫が

こちらはキッチン背面の収納です。キッチンと同じく棚板は、炊飯器置き場(写真右下)以外はJパネル、扉材はシナ合板を使っています。

吊り戸棚の蝶番には、広角蝶番を採用

上の写真は冷蔵庫横の吊り戸棚の蝶番。壁のない側は、開ききって出し入れしやすいよう、広角蝶番が使われていました(冷蔵庫側普通の蝶番使用)。

吊り戸棚の奥行きはD300mm

吊り戸棚は奥行き300mmにしたので、上開き扉を開けたときも圧迫感がありません。

炊飯器置き場だけは熱に強いメラミン化粧板に。

冷蔵庫置き場は、横や上部に板を貼り隙間を隠していて、こちらもきれいな納まりに。この板は開き戸になっていて、絶好の脚立の収納場所にもなっています。このスペースがあることで、もし将来、大きな冷蔵庫に買い換えても、板を切ればうまく納めることができるのです。

そして、炊飯器置き場だけは熱に強いメラミン化粧板に。その横に見える作業台の部分は、先ほどと同じJパネルの三層のうち一層だけを残す切込みを入れて繋げる仕上げに。

吊り戸棚の扉はシナ合板で製作。木口シートを貼り、その下に無垢材で作った取っ手

作業台の上にある吊り戸棚の扉はシナ合板で製作。木口シートを貼り、その下に無垢材で作った取っ手が見えます。

実はこのシナ合板と無垢材を組み合わせた扉も、家の各所で目にします。シナ合板の軽くて反りにくいという特徴と、無垢材のキズがつきにくく、汚れてもヤスリをかければ無垢材の風合いがよみがえる長所をから導き出された組み合わせ。こうして永く心地よく使い続けられる扉が生まれました。

つくり手も住まい手も愛おしい造作キッチン

つくり手も住まい手も愛おしい造作キッチン

キッチンも背面の収納も造作することで、細部にまで手をかけることができました。まさに、つくり手も住まい手も愛おしい造作キッチンです。

造作キッチンを作るために採用した造作キッチン用ベースキット「キッチン・キット」

今回、小泉誠さんが造作キッチンを作るために採用した「キッチン・キット」とは、キッチンに必要不可欠なカウンター(天板)とシンク、キャビネットがセットになったベースキットです。家ごとのテイストに合った扉材を現場で取り付け、現場で用意した設備機器を取り付けるだけで、上で紹介したような造作キッチンが完成します。

木製キッチンの頼りになる味方!造作キッチン用ベースキット「キッチン・キット」

さらに、可能なキッチンプランは、サイズやキャビネット収納プランなどの組み合わせから、なんと20,000パターン以上ものバリエーションがあります。そのため、住まい手の様々な要望に応えることができます。

上記のことをご評価いただき、全国200社以上の工務店様にご採用いただいています。

キッチン・キットの概要やバリエーションにつきましては、下のボタン先で解説していますので、自社で導入できるかご検討ください。

ekrea Partsのキッチン・キットなら、設計や現場の手間や不安を解消できる商品です。思い描いていた造作キッチンが簡単に作れます。その理由は3つ。下のボタン先で解説していますので、こちらもご確認いただき、ご検討ください。

また、少しでもキッチン・キットに興味を持たれたなら、ほかにも「造作キッチンの事例」を用意しています。下のボタンからご確認いただけます。造作キッチンの提案の参考になると思いますので、事例もぜひチェックしてみてください。

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