ツバメクリエイツ

〈シリーズ_造作で住まい手の暮らしをかなえる人々30〉
「価値観の共有を大切に。愛着が深まる幸せなリノベーションを提案」
ツバメクリエイツ株式会社 代表取締役 村上貴之さん 設計担当 久良持絢子さん

ツバメクリエイツの久良持さん(右)と住まい手のMさん(左)

今回は、さいたま市を中心に活動する、地元でも評判のリノベ会社「ツバメクリエイツ」が手がけたお宅に伺いました。

趣味のキャンプ道具をしまえる隠れ家のような土間収納、廊下に面した一枚の絵のような寝室、そして、多目的に使えるLDKの小上がり。築30年を超える延床面積66㎡のマンションには、これからの暮らしがより豊かになる仕掛けが随所に施されています。

さらに、周囲のインテリアと調和するekrea Partsの「キッチン・キット」を用いた、こだわりのキッチンも合わせてレポートします。

暗くて狭い印象だったマンションがリノベーションで大変身

玄関からベランダ方向を見る。室内は光あふれる明るい空間

設計を担当した久良持絢子さんにご案内いただき伺ったのは、JRの駅からもほど近い築33年、延床面積66㎡のマンションです。

玄関を入ると、土間スペースが広がり、ベランダからの光が、この場所まで届く、気持ちのいい空間が目に飛び込んできました。

暗かった以前のキッチン(左)とベランダに面した6畳の和室(右)

「以前の間取りは、小さな玄関を上がると、廊下の両側に個室と水回りが並び、ベランダ側は中途半端な広さのリビングダイニングルームと和室で仕切られている、典型的な3LDKでした。仕切られていることで日差しも遮断され、暗くて狭い印象。そしてキッチンはクローズタイプで、さらに暗い空間でした。そこから、相談に来られたMさんの『こうなるといいな』を伺いながらリノベーションしました」(久良持さん)

寝室は仕切らずオープンに。廊下、そしてLDKとゆるやかにつながる

全体的に狭くて暗い印象だった住まいが、広い玄関土間に趣味のキャンプ道具をしまえる〝秘密の部屋〟のような土間収納、対面キッチンのある開放的なLDK、多目的に使える小上がりなど、伸び伸びとした気分で過ごせる、ほぼワンルームのようなプランに変身。Mさんが欲しかったものをカタチにした、大満足の住まいになりました。

しかし、ここまでの道のりは決して平坦ではなかったと、Mさんは振り返ります。

人生の転機でマンションリノベを決意。しかし、パートナー選びで苦労

好みの家具や小物に囲まれたリビングダイニング

「子育てがひと段落し、親から相続したマンションをリノベーションすることにしました。目指したのは『終の棲家』です。 もともとインテリアが好きで、専門雑誌も愛読していたので、スケルトンにすればイチから自由にプランできることも知っていました。自分にとって本当に心地よい暮らしを、ここからスタートしようと決めたんです」(Mさん)

そこで直面したのが、リノベーションをどこに依頼するかというパートナー選びの壁でした。Mさんはここで随分と苦労したと言います。

「Instagramで大手ハウスメーカーの『50代のリノベーション』という広告を見て、興味を持って問い合わせてみました。しかし、担当者の方とフィーリングが合わず、ほかにも当たることに。テレビCMでよく目にする住宅相談カウンターに連絡し、自分の好みと予算を伝えて5社紹介してもらいました。「ここがいい!」という決定打がなかったのですが、『もう、ここで決めなければ』と、最初から設計士さんが同席してくれた会社で話を進めることにしたんです。しかし、そこでも『?』と思うことが多々あり、最終的にプランを白紙に戻しました」(Mさん)

要望通りに仕上がったキッチン

いちばんの『?』はキッチンでした。Mさんは、掃除が大変でオーブンレンジでも代用できる「魚焼きグリル」は要らないと考えていました。

「ところが、その会社の担当者は『魚焼きグリルはなくせますが、料金が高くなります』と言うんです」(Mさん)

普通に考えれば、設備を減らすことで価格は安くなると思うところです。しかし担当者の説明は、「大量生産する既製品に絞ることで値引率を高くしているから」というものでした。さらに、魚焼きグリルを無くした場所は、ただ板を張るだけになると言われます。大手ならではの画一的で融通の利かない対応に、Mさんは愕然としました。

一旦は納得しようとしたものの、やはり「使わないものにお金がかかること」や「空いたコンロ下のスペースを収納に使えないのはおかしい」という思いが消えません。(Mさん)

「同じ頃、マンションリノベを体験した人の本を読んでいたら、『自分の好みのインテリア写真をピックアップして、その事例を手がけている会社を探した』と書いてあったんです。そこで、リノベ雑誌をくまなく読み込み、『このテイスト、すごくいいかも!』と目に留まったのが、ツバメクリエイツでした」(Mさん)

大手では「できない」と言われた要望を、ちゃんと汲んでくれた!

欲しかった小上がりの和室も実現!

「さっそく相談に行くと、『魚焼きグリルは簡単に省けますし、空いた場所を収納にできますよ』と言ってくれて。それまで検討していた会社では、『タオルホルダーはこれを使いたいです』と希望しても、リストからしか選べず施主支給も断られていたのですが、ツバメクリエイツさんはすべて可能と言って…。それまでのモヤモヤが一気に晴れました」(Mさん)

小上がりの一角には、集中できるワークスペースも!

会社選びに難航していた時期は、杓子定規な対応だけでなく、金額の提示方法にも不信感を持ってしまったと言います。

「決断できずにいると、『今決めてくれたら、100万円値引きします』と言われたんです。それを聞いて、『えっ?ということは、最初から100万円上乗せしていたの?』と思ってしまい、私には逆効果でした」(Mさん)

実現したい要望とイメージを伝えると、すぐに正確な概算額が!

キャンプ道具をしまう、おこもり感のある土間収納

Mさんは、最初の打ち合わせに、InstagramやPinterest、マンションリノベの雑誌で見つけた、気に入り画像をA3ファイルにまとめ、持参して相談に臨みました。

特に譲れない要望は以下の3つです。

1.玄関土間を広く取って、趣味のキャンプ道具を収納するスペースをつくりたい
2.子どもが来たとき泊まれて、多目的に使える小上がりが欲しい
3.キッチンは対面型にして、ワークトップはバイブレーション仕上げに。魚焼きグリルと食洗機は不要

これらの要望と、リノベーションするマンションの面積を伝え、「間取りはこんな感じにしたい」「お風呂はこれがいい」「床材はこんな感じがいい」と具体的に決めていくと、すぐに概算見積もりが出てきたと言います。

「驚いたのは、その最初の概算と、最終的な実際の金額の差がわずか40万円しかなかったことです。本当にすごいなと思いました」(Mさん)

「キッチン・キット」で、納まりがよく使い勝手のいいキッチンに

キッチンは念願の対面キッチンに

Mさんが特にこだわったのがキッチンです。以前の住まいはクローズ型で目の前が壁だったため、圧迫感のない、外の景色も眺められる対面キッチンにすることは譲れない条件でした。そして前述の通り、魚焼きグリルと食洗機は不要という明確なこだわりがありました。

「あとは天板の素材です。以前の家は人工大理石だったのですが、徐々にくすんでしまい、汚れているように見えるのが嫌でした。ですから、いつまでも清潔できれいな状態をキープできる、ステンレスのバイブレーション仕上げを希望しました」(Mさん)

キッチン・キットのI型キッチン(W2100mm×D900mm)を採用

そうした細かな要望を受け、設計の久良持さんが提案したのがekrea Partsのキッチンでした。

「今回の空間にきれいに収まる『幅2100mm』というサイズは、一般的なシステムキッチンメーカーのものではなかなか選択肢がありません。そこで、サイズを柔軟に調整でき、コンロやシンクも自由に選べる『キッチン・キット』を提案しました」(久良持さん)

天板は、要望通りのバイブレーション仕上げに。サイドパネルや扉材には、お気に入りのビンテージ家具と程よく調和するグレージュのメラミン材に。

「ekrea Partsさんのショールームを訪れたときに、扉に使うメラミン材の色見本を見せてもらいました。気に入った型番を久良持さんに伝えたら、すぐにサンプルを手配してくださって。おかげでタイルの色合わせがスムーズに進み、とても助かりました」(Mさん)

「キッチン・キット」の自由度の高さは、素材選びだけでなく、天板のレイアウトや機器のセレクトにも遺憾なく発揮されています。

「幅は2100mmとコンパクトですが、奥行きを900mmと広めに確保しました。IHコンロは幅の狭い2口タイプ(W450mm)を選ぶことで、コンロ横にも十分な作業スペースが取れています。コンロのサイズに応じて開口部分を自由に指定できるのも、キッチン・キットの大きなメリットですね」(久良持さん)

キッチンの奥の壁際には、ekrea Partsのハイスツール「Amba(アンバ)」が置かれています。

「朝、ここに座ってコーヒーを飲みながら、部屋全体を眺めるのが好きなんです」

魚焼きグリルの場所も収納に使えた!

当初ハウスメーカーに相談したときはできないと言われた魚焼きグリルの場所は、写真のように、普段使いの食器や箸、カトラリーの収納場所として大活躍しています。

調理中もすぐに取り出せ便利なコンロ下収納

そしてその下の引き出しには、調理中にすぐ取り出した、調味料の収納スペースが。鍋やフライパンをかがまずに取り出せる内引き出しも付いています。

標準で付いている包丁差しも意外に便利

「魚焼きグリルと食洗機をやめたことで、その分だけ収納をたっぷり増やすことができました。使い勝手も本当によくて大満足です。これだけの広さがあれば、子どもたちが大勢で遊びに来ても安心です」(Mさん)

シンクにはポケット付きEシンクを選択

シャープな見た目のスクエアシンクを希望していたMさんは、ポケット付きEシンクの排水一体型を選びました。

「四隅にわずかな丸み(R10mm)があるのでスポンジが入りやすく、掃除がとてもラクです。洗剤ボトルやスポンジをポケットに置けば、リビング側からすっきり隠れて見えないのもうれしいですね」(Mさん)

洗面所で造作の工夫と頼りになる相棒を発見!

洗面でハイスツール「Amba」を発見!

キッチンと同様に、洗面台も造作でこだわりました。モールテックス仕上げの洗面台の下には、無印良品のラタン収納カゴとポリエチレンケースが、ぴったり収まるオープンな収納棚を造作。そしてその横にも、ハイスツール「Amba」がすっきりと収納されていました。

ハイスツールがあれば座って朝の支度ができる!

「洗面には座って朝の支度や作業ができるよう、ハイスツールを置きたいと思っていました。だた、出しっぱなしになると邪魔になってしまうので、久良持さんに上手く収まるように相談したんです」(Mさん)

家の隅々まで、こだわりを実現したMさんのマンションリノベ。選んだひとつ一つのものへの愛着が深まり、「幸せな時間」がずっと紡がれていくことでしょう。

理想の住まいは探すのではなく「自分でつくる」を応援

さいたま市大宮区にあるツバメクリエイツのオフィス

今回ご紹介したMさんのマンションリノベーションを手がけたツバメクリエイツは、さいたま市に拠点を構え、リノベ特化型の設計・施工を展開する会社です。

代表の村上貴之さんは、店舗設計の分野で経験を積んだのち、ご自身の会社を立ち上げるまでに、家族の変化に合わせて3回の引っ越しと4回のリノベーションを経験されたそう。

その時々の暮らしにフィットする住まいをご自身でつくってきた原体験から、「リノベーション(=自分でつくること)」の素晴らしさを確信し、2014年にツバメクリエイツを設立しました。

「弊社では、何よりもまずお客様の『想い』をじっくり伺うことから始めます。『どんな目的でリノベーションをされるのか』『これまでどんな人生を歩んでこられたか』、そして『これからどんな暮らしを紡いでいきたいか』。住まう方が一歩一歩重ねてきたストーリーをデザインに反映し、その人らしい住まいをカタチにしています」(村上さん)

同社のホームページには、これまで手がけてきた多彩な設計・施工事例が数多く掲載されています。チェックすることで、「リノベーションをどこから始めたらいいか分からない」という方にとっても、自分の好きなテイストを発見したり、イメージを膨らませたりすることができます。

さらに、引渡し後の住まい手にインタビューした「ツバメのセンパイ」というコンテンツも用意されていて、理想の住まいをどのようにカタチにしていったのか、リアルなプロセスを追体験することができます。

「実は、私だけでなく、家を購入した弊社のスタッフは全員、自社でリノベーションをしているんです。そんな実体験を持つスタッフが、最初の相談からお引渡しまでワンストップで担当します。リノベの『先輩』としても、お客様の不安や疑問に等身大でお答えできるのが私たちの強みですね」(村上さん)

ひとりひとりの想いに寄り添い、実現したい暮らしへと伴走してくれるツバメクリエイツ。これからリノベーションを検討される方は、ぜひ一度ホームページを覗いてみてはいかがでしょうか。

表示件数
並び替え