欧米では生活者にDIY(Do It Yourself)が浸透しています。休日を利用して壁にペンキを塗ったり、大工工事をしたり、居住している家に実際に手を加えることが当たり前になっています。歴史的にみてもその習慣こそが家に愛着を持ちつづけ、やがては家を資産価値として評価される土壌を作り上げたのだと思います。
戦前の日本でも関西に「家作」と呼ばれた賃貸用木造長屋が多数あり、居住者が襖や畳などを借りることができる住宅部品のレンタルショップが存在していたと聞きます。実際に生活者の暮らしにあった住宅部品の供給体制そのものが、ビジネスとして成り立っていた証だと思います。
しかし、持ち家率を奇跡的に飛躍させた戦後の住宅政策の成功の陰で、供給者は家を創るものから必然的にできてしまうものに変えてしまったのです。その結果、10万種類にも及ぶと言われている住宅部品を合理化・効率化により減らし、統一化を図ることで大量供給を実質的に促そうとしました。一方で建材メーカーはシステム化・複合化を大号令して、高機能・多機能な製品を数多く生み出してゆきました。ところが、システム化・複合化と謳いながらメーカー間の部品の共有化や互換性は全く欠落されたまま、それぞれのメーカーのシェア拡大と市場競争力のみに偏向していったのです。それはまさに生活者を置き去りにして、歪んだ高付加価値に加速していったかのようです。
便利なのにすぐ消耗してしまうより、愛着があって人と時の経過のかかわりの中で、存在感を醸し出す住宅部品。さらに多少手間が掛かってもアッセンブルして造り込む価値。そこにはDIYを超越してAIY(Assemble
It Yourself)という発想があっても良いのではないでしょうか。
システム化・複合化の陰で決して陽が当たらない部品。「ekrea」のコンセプトにはそんな部品の原点と思想が詰まっています・・・。